自然の恵みということ
原発事故以降、特に福島では、自然とはだいぶ疎遠になってしまった感があります。
春を待ちかねて山菜を採り、秋風に誘われるようにキノコを採りに山に入って。
人によっては釣りを楽しむこともあったでしょう。
キジなどの野鳥やイノシシなども、その野趣溢れる風味は正に自然の恵みでした。
ちょっと自然とは言えないかもしれませんが、里山の木々も大切な資源でした。
需要は少なくなったとは言え、薪や炭として。
また、肉厚のキノコの栽培のための原木として。
花工房の里山より 春を謳歌する桜
5年前。
原発事故は、その全てを奪いました。
半減期の比較的長い放射性セシウムは、未だに原発事故の爪痕をそこここに鮮明に残しています。
とはいえ、放射性物質は環境中ではその半減期以上に減衰しています。
農産物については、対策もしっかりとられていて、検出限界値(基準値ではありません!)を上回るものはほぼなくなりました。
中には自治体などの出している数値は信用できない、などと言う人もいるようですが、ここで自主検査している結果からも、自治体で行っている検査の結果は信用するに値するものです。
実は販売用以外にも参考として様々な食材を自主検査しています。
春ですから、山菜も検査しています。
もちろん、今年も検査しました。
山菜というのは集めるのが大変なので、いくつかの品目をひとつの検体として扱っています。
(販売用は品目別に検査しています)
今回検査したのはこちら。
その結果がこちら。
\ND/
実は「たれか」してノビル以外は洗わなかったんですが…
それでもND。
一品目ごとだったら、もしかしたら検出されたかもしれません。
でも実際に食べるという前提であれば、この結果でも十分問題ないはず。
というわけで、今年もやります「里山春ご飯」体験。
花工房の里山で自然の恵みを摘んで、みんなでお昼ご飯を楽しみます。
山菜摘みの楽しさ、山菜ならではの香り、味わい。
この季節限定の自然の恵み。
ぜひご一緒に♪
ワラ細工・その2
今回はわら細工教室の2回目。
今回のお題はこちら。
見慣れない形ですが、鍋敷きです。
なかなか味があると思いませんか?
ワラ細工といえばまずは「わらぶち」仕事。
「やっこく」なるよう、「までい」にトントントントン…
うら若き女性も参加しております。
やっこくなったら、大雑把な形を作ります。
この時点でうまく「輪」にしておかないと修正が難しそう。
そしてこの土台を新たなワラで包むように編んでいきます。
見ているだけだとなかなかわからないんですよね。
まして反対から見てると頭がこんがらがる一方。
先生の身体の向きに合わせて教えてもらいます。
ちょっとコツを呑み込んでしまえばあとはひたすら編むのみ。
夢中で編みます。
口数も少なく…
そして完成!
上出来?かな?
出来はさておき、自分で作ったものは愛着がわきますよね。
作業した時間=向き合った時間が長いほどそういうものかもしれません。
こういう技、長く残したいものです。
わら仕事
稲の収穫というと、ずっと以前は鎌で刈り取り、少し時代が下るとバインダーという機械を使っていました。
(バインダーは今でも現役のことがあります)
近頃では小さな田んぼでもコンバイン(刈り取りと脱穀が同時に出来る)が入るようになりました。
コンバインではさらに、脱穀した稲わらを裁断する機能もあり、秋の田んぼには細かく裁断された稲わらが一面に撒かれているのが当たり前です。
それと前後するように、わらは農村部でも使うシーンが激減しました。
以前は必需品としてぞうりにわらじに、米俵や縄など、さまざまな生活雑貨に利用されてきました。
このまま消えてゆく運命なのかしら。。。
技術は消えてしまうとそれを再現するのはなかなか難しいもの。
わら細工ができる方はご高齢の方がほとんど。
うけつぐなら今しかない!ということで、わら細工を習いました。
なんでもそうですが、自然素材を使うものは材料の準備が大切。
わらの場合はまず数日水に浸して「やっこく」し、そのあと「わらすぐり」をします。
簡単に言えば稲わらの「葉」の部分を取り除く作業です。
稲わらを束ねて先の方を握り、根元に向かって指で髪をすくようにします。
そのあとは「わらぶち」。
わら槌で叩くことで、わらは柔らかく、しなやかになります。
そしてようやく縄綯い(なわない)、下拵えの済んだわらを縄にしてゆきます。
同じ太さにするのがプロ(?)の仕事。
と、ここまでが基礎の基礎。
今回はぞうりも作ってみました。
布ぞうりなどを作ったことがある方はおわかりかと思いますが、慣れないとつい細長くなってしまいます。
これも幅を一定に、さらに左右の幅と長さを揃えるのが難しいんです。
さて、出来映えは?
さすがは先生。
夏場は気持ちよさそうですね。
指先を使う作業は老化防止によさそう。
足も、ぞうりのように指を使う履き物がいいようです。
わらぞうりとは言わずとも、Myぞうりを作ってスリッパ代わりに履くのもよいのではないでしょうか。
アイルランド音楽と落語の遭遇!
久々に笑いました。
会場にいらしたお客様もみなさん笑顔で。
「新春招福のつどい」のタイトル通り、笑顔で福を招くイベントになりました。
アイルランド音楽−あまり馴染みがないのですが、クラシックにはない親しみやすい音楽です。
今回は奥様もご一緒にいらして、笛だけではない、厚みのある音楽を楽しむことができました。
笛はフルート、リコーダー(音階によって使い分け)など、さまざまな種類。
そこに太鼓やアイルランドハープ、コンサルティーナというアコーディオンの一種が入ります。
面白かったのはスプーンズ。
小気味いい音に、思わず踊り出したくなります。
踊りの曲だけではなく、ハープと合わせてしっとりと聴かせる曲も。
そして合間に、いや、演奏が合間に挟まるというか、トークがまた面白いんです。
ちょっとここには書けないような内容もありましたが。。。(汗)
2本のホイッスル(だったかな?)という笛を器用に演奏されていました。
そして花工房初の落語。
噺家は三遊亭わん丈さんという新進気鋭の若手の方です。
以外に生で落語を聞くというお客様も多かったのですが、守安さんのトークで和やかになっていた会場が大いに沸きました。
下の写真は「牛ほめ」という噺を演じているところです。
この他に「動物園」と「蝦蟇の油」という噺をされました。
音楽と落語を大いに楽しんだ後は、これまた初の出演者を囲んでの懇親会(希望者のみ)も。
守安さんもわん丈さんも関西ご出身と言うことで、普通にお話しされていてもなんとなく笑えて、こちらも楽しい時間となりました。
トークの途中、守安さんが「予言します。ボクは晴れ男だからボクがいる間は雪は降りません」とおっしゃっていました。
この日は数十年に一度の大寒波到来と言うことで、天気予報では夕方から雪の予報。
ちらちらとは降っていましたが、積もることなく、みなさん安心して帰られたようです。
そして翌朝…うっすらと雪が…
冬仕事
田舎の冬仕事の一つに山の手入れがあります。
手入れ、というよりは使うために木を伐るのが本来の仕事。
炊事、風呂、暖房。
かつてはほぼ全てを山の木に頼っていました。
それらがすっかりガスや電気に置き換わり、山の木が積極的に伐られることはなくなりました。
かといって山を放置しておくわけにはいきません。
木を伐るには水分の吸い上げがほとんどなくなる冬が最適。
ということで、花工房の里山はただいま絶賛伐採中です。
唸るチェーンソー、悲鳴を上げながら傾いていく木。
ドサーーン!!
迫力満点です。
倒した木は枝を落とし、主幹や太い枝を決まった長さに切っていきます。
こうして里山の木々は炭や薪となっていきます。
明るくなった里山の林床には光が射し込み、新しい芽生えが生まれます。
今まで大きな木々の葉陰になって成長できなかった若い木々が、すくすくと伸びることのできる環境を作ります。
木々も年をとると勢力が衰え、病気などにもかかりやすくなります。
里山にも世代交代が必要なのです。
さて、こうして伐った木を炭窯に入れる作業を来る22日(金)に実施します。
見学歓迎ですよ-!
2016年のはじまり
新年あけましておめでとうございます。
月舘から初日の出をお届けします。
いい元日ですね。
こりゃ正月からいいことあるかな?と思っていたら、チラチラ雪が。
その後、ヒュー---
北風が強い。。。
まぁ、福島のお正月らしい寒さとなりました。
今年は交流館もりもりでは甘酒とお餅の振る舞いをしています。
先日作った甘酒とお餅ですよー♪
お時間のある方はぜひご賞味下さいませ。
そしてもうひとつ、凧揚げ・凧作りもやってます。
昨日、一所懸命に材料のたけひごも準備しました。
今朝はさっそく、昨日からご宿泊だったお子様たちが「凧作る-!」と。
さて、うまく揚がったでしょうか。
凧揚げしながら動画撮るのがなんとも難しい。
凧が今どこにいるのか、特に逆光だとさっぱりわからず。
でもなんとか映ってました。
大人の方もたまには童心に帰って、凧揚げを楽しんでみませんか?
お正月は甘酒振る舞います(お餅もね)
甘酒は飲む点滴とも言われます。
江戸時代には真夏に栄養ドリンクとして賞味されていたようです。
天秤棒に荷をつけて「あまい あまい あまざけー」と売り歩いたとか。
また寒い季節は甘酒の看板にはついフラフラと吸い寄せられ。。。
誰ですか?「甘」はいらない、なんて言ってるのは。
今回は地元の方に教わって甘酒を造りました。
この方は「ご飯粒が苦手」で、糀だけで作るとおっしゃってました。
糀だけだと炊飯器があれば簡単にできてしまします。
動画にはもち米を使った作り方を上げました。
昔は糀が高かったからか、「糧に(分量を増やすために)」ご飯を混ぜたものだそうです。
そのご飯粒が苦手な人、いるでしょうね。
今は炊飯器という便利なものがあって、温度を一定に保つのも簡単ですが、昔は大変だったそうです。
コタツに入れたり、毛布を(もないころは「むしろ」など?)で包んだり。
まさに電気様々です。
この甘酒と先日のお餅は明日からのお正月3が日、交流館もりもりで振る舞います。
ぜひ遊びにいらしてくださいませ。
そして今年の更新はこれが最後。
みなさま、良いお年を。