花々日記

つきだて花工房の日常や雑感を綴っています。

ふくしま旬の四季菜膳・2019冬

もうすぐ冬至

強い北西風に雪が交じることも多くなってきました。

つきだて花工房のお膳はお正月が近くなってきたこともあってか、色彩も華やかに衣替えです。

内容の方もお重に詰めてもよさそうな感じに。

f:id:hanakobo:20191213174657j:plain

彩りが楽しい先付け、小付け、お造りに旬菜。ご飯のお供はもちろん、福島の地酒にもまちがいなし。

f:id:hanakobo:20191213174353j:plain

蓋物は鰊(にしん)と海老芋(えびいも)の炊き合わせです。西京味噌のやわやわとした甘さじょっぱさが癒やしの一品です。

蓋物は温かくしてご提供します。

もちろん、室内は暖かくなっていますが、蓋を取るとフワッと立ち上る湯気とお料理の香りはなんとも言えずうれしいものです。

海老芋のねっとりとした食感が冷えた体にはありがたい。

f:id:hanakobo:20191213174902j:plain

常磐の冬を代表する魚といえば鮟鱇。今回は唐揚げでほろほろとほぐれる身を味わってください。

季節柄お魚を使ったお料理が多くなっています。

ここはできればぜひ福島の地酒と逢わせていただきたいです。

金水晶、開当男山、奥の松など、様々な味わいの日本酒をご用意しておりますのでぜひ!

 

このほかに温物として「トマト風味の伊達鶏そぼろ鍋」がお一人ずつつきます。

生姜や味噌など、体の芯から温める食材を使用したアツアツのお鍋もこの時期は楽しみですね。

f:id:hanakobo:20191213175044j:plain

ご宿泊のお膳の〆は釜飯です。その場で炊くので、蓋を開けたときの湯気までがごちそう。具は月替わりです。

花工房のお食事は料金の割に量・内容ともに好評をいただいております。

ここまでのお料理で結構おなか一杯になっているはず。

でも釜飯の蓋を開けると…

不思議に食べられちゃうんですよね。

 

この内容に福島牛またはエゴマ豚のステーキがつくコースもあります。

お肉の柔らかさと味わいをぜひご堪能下さい。

 

そうそう、デザートは果物王国・福島のフレッシュフルーツです。

秋の台風災害を乗り越えたくだものもぜひ味わって下さい!

 

山と川と田舎と

f:id:hanakobo:20191129155905j:plain

この秋は気温が高い日が多かったのですが、今朝はようやく霜がビッシリと降りました。

伊達市の公式な最低気温(おそらく梁川かと思います)は−2℃でしたが、辺境のこのあたりだともっと下がったでしょう。

いよいよ冬がやってきたか…と文字通り震えております。

冒頭の写真は暖かかった秋の朝の景色です。

こんな日ばっかりだといいのにね…

 

この秋は(「も」というべきか)自然災害が相次ぎました。

福島県内でも大きな被害が出ました。

同じ伊達市では梁川町で床上浸水した地域があり、ボランティアの皆さんによる復旧作業も続いているようです。

つきだて花工房がある旧月舘町には、お隣の川俣町から流れる広瀬川という川(仙台の広瀬川とは別です)が流れています。

田畑を潤す重要な水源であると同時に、今も一部で魚影が見られ、数十年前まではうなぎや川蟹が捕れるような豊かな川だったようです。

今回の台風19号ではこの広瀬川流域で大きな被害が出ました。

周囲の山々からの小さな川の水が集まるので下流に行くほど水量が増していきます。

水の力はとても恐ろしく、川岸の木々や大岩、時には家屋をも流し去り、それが橋桁に引っかかるなどしてあちこちで氾濫しました。

溢れた川水に含まれた大量の土砂が周囲の田畑に堆積しました。

ほとんどの田は収穫を終えていましたが、土砂が堆積したり畔が削られたり、また水耕施設(水路など)が破壊されたりと、被害は相当なものです。

今現在の被害も相当ですが、畔や水路などさまざまなインフラを復旧するには相当な時間もかかります。

来年の作付けに間に合うかどうか、見通しはとても厳しいように思えます。

「直してもしようがない」

そんなことを考える人もいるかもしれません。

 

土砂崩れも各地でおきました。

地質の関係もあるのか、急傾斜地が多い土地柄。

幸い、命を落とした方はいなかったようですが、土地家屋が被害を受けた方もいるようです。

自分の土地で起きたことは原則として自己責任。

流入にしろ流出にしろ、大量の土砂の始末は人力では容易ではありません。

 

山、川、そして自然は多くの恵みをもたらしてくれる一方で、時に途方もなく大きな、多くのものを奪います。

田舎に暮らしていると、それは両方とも極端に現れます。

昔の人々は自然を神として崇めてきました。

恵みも大災害も神の手の内。

人間ではどうにもしようのない力の前に、祈ることしかできなかったでしょう。

 

文明とともに、人間はそれまでにない力を手にしてきました。

土木技術もそのひとつ。

これがなければ今のような災害の少ない社会どころか、生活基盤さえ築くことはできなかったはずです。

 

それがよかったのか悪かったのか。 

 

今の時点では私は答えを持ち得ません。

ただ、善悪を超えて、必然であったのは確かでしょう。

 

「田舎」と呼ばれる、比較的川の上流にある地域が荒廃すれば中・下流域への影響は避けられないように思います。

コンパクトシティ構想」はコストパフォーマンスの面、利便性の面から理にかなったことかもしれませんが、自然の摂理とどのように相互影響するのか。

できれば田舎の環境が保たれるような状況が維持できるといいのですが。

 

f:id:hanakobo:20191129155912j:plain

上の写真は台風被害の少し前に撮影したものです。

早朝の薄明かりの中、杭掛けされた稲が乾燥・脱穀を待っています。

その稲は台風が去った後、未だに無残な姿をさらしています。

この風景が失われないよう、一日でも早く復旧するよう祈っています。

 

絶賛準備中!「晩秋に贈る小さな朗読会」

今年の秋は暖かいなぁと思っていたらようやく霜がビッシリ降りました。

油断してただけにさむい〜

さすがに立冬を過ぎただけありますね。

 

暦の上では冬ですが「晩秋に贈る小さな朗読会」、今年も開催します。

現在絶賛準備中!

今年はサン=テグジュペリ作「星の王子さま」をメインキャストの島岡さんが朗読してくださいます。

そしてピアノとヴァイオリンの生演奏に女性ツインヴォーカルという豪華編成。

どんなステージになるか今から楽しみです♪

 

そして…

今回の舞台セットも制作中です。

ものがたりの雰囲気は出てますかねぇ。。。

 

f:id:hanakobo:20191109103124j:plain

 

チケットは、午後4時からの回は余裕有り、午後7時からの回は残り少なくなってきました。

ご興味のある方はぜひ!

今なら前売り1000円で観覧できます。

詳しくはつきだて花工房のホームページ、FacebookTwitterをご覧下さい。

タネを蒔く

みなさんのお住まいの地域では台風19号の被害はありませんでしたでしょうか。

その前の台風15号でも千葉県を中心に大きな被害がありました。

19号が大きく深い傷痕を残して行った後も大雨に見舞われ、一部の地域では再度の避難、また浸水被害など起きてしまったところもあったようです。

今日は午前中に雨が降りましたが午後からは少し晴れて、晩秋に移りつつある里山は穏やかな表情を見せています。

f:id:hanakobo:20191027172759j:plain

(実はこの写真にも19号の被害の痕が写っているのです。。。)

台風の被害についてはまた別の機会に書くこともあるかもしれません。

 

そんなこんなで10月に入ってからなかなか好天に恵まれず、晴れても大雨の後で畑に入れず、農作業もだいぶ遅れてしまいましたが、やっと今日、ソラマメを蒔くことができました。

去年は冬が余りに寒くて苗が凍み枯れてしまい収穫ゼロ。

今年は順調に生育しておいしいソラマメを楽しみにしていたのに、5月末のまさかの猛暑で枯れたり枯れなくても実が育たなかったりでこれまた収穫ゼロ。

今回は昨年より10日以上遅い種まきです。

秋の作業が10日遅れると場合によっては致命傷(芽が出ない、芽が出ても寒さに強くなるほどに育たず凍み枯れる、等々)になりかねず、まさにイチかバチか…

こんなことならポットに蒔いておけば良かった…

f:id:hanakobo:20191027173423j:plain

(袋の左上にちょっと白いものが見えてるのがタネです)

お願い!順調に育って!!

秋のお膳のご紹介

いつもなら日中はまだまだ暑さが続くのですが今年は雨が多く、ジメジメと肌寒い日が多い福島です。

暦は間もなく中秋、秋の食材が食卓に上り始める時期ですね。

花工房のお膳も秋の装いとなります。

f:id:hanakobo:20190904093642j:plain

まずお盆の上の器から。

中央の器は「サツマイモのサラダ」。

サツマイモの自然な甘みが口の中に拡がり、素朴ながら滋味に溢れた一皿です。

左隣の黄色い器は「春菊とエノキの煮浸し」。

黄菊の香りが秋そのもので、お酒と一緒にいただくとよさそう。

上のふた付きの器は「あぶら鰈(カレイ)薯蕷(じょうよ)蒸し」。

ふわふわのとろろ芋の下に隠れたカレイは白身ながら脂がのってとろけるような味わい。

蕎麦の実入りの餡との組み合わせも絶妙で、これも日本酒がすすみそうです🍶

右上はお造り。(ボタンエビはステーキ付きのコースのみにつきます)

一番手前の切り身はレモン〆の秋刀魚。

レモンの香りと酸味で生臭いのが苦手な方でもOK!(かな?)

 

お盆の左の白い器は「旬の味覚焼き」。

f:id:hanakobo:20190904093717j:plain

旬の味覚焼き

ホワイトソースの中に伊達鶏、そして里いもやカブ、栗といった秋の食材が詰まった一品です。

「ホワイトソースはくどいのでは?」いえいえそんなことはありません。

素材の味が活きるあっさりとした味付けで見た目よりさっぱり。

 

お盆の上は「伊達鶏のロールフライ」。

f:id:hanakobo:20190904093727j:plain

伊達鶏のロールフライ

旨みの濃い伊達鶏のムネ肉でエノキとナスをそれぞれ巻いてあります。

揚げ物なのでヘルシーなムネ肉はうれしいですね。

それにパサパサしがちなムネ肉ですが意外としっとり。

 

右上の鍋ものは舞茸と鰤(ブリ)のつみれ鍋。

f:id:hanakobo:20190904093736j:plain

舞茸と鰤のつみれ鍋

寒さに向かうこれからの季節、こういうほっこりとした温かい鍋ものが恋しくなるもの。

ぜひ、「酒どころ福島」の銘酒を傾けていただきたい一品。

 

ホカホカの炊きたてが楽しめると好評の釜飯は月替わり。

f:id:hanakobo:20190904093654j:plain

月替わり釜飯

中の具材は月によって替わります。

9月は栗です。

 

お料理のグレードによって、この内容に福島の銘柄肉「エゴマ豚のステーキ」か「福島牛のステーキ」 がプラスされるものもあります。

ぜひお試しを!

 

令和最初の夏の献立

更新しない間にすっかり年号も変わってしまいました。

しかも春の献立の紹介をすっとばしていました…

 

今年は5月に猛暑日!と思ったら早めの梅雨入り&梅雨に入ったら寒いが多い…

こたつがほしいくらいです。

様々な気候変動、毎年のようにありますね。

 

それでは気分を変えて、夏の献立をご紹介します。

 

最初の先付けは「夏野菜のマリネ」。

素揚げした野菜にさっぱりとしたマリネ液を絡めたお料理で、食欲を刺激します。

f:id:hanakobo:20190613160844j:plain

 

次は小付け。

「枝豆豆腐」は枝豆で作ったお豆腐の中に隠れた枝豆の食感が楽しい一品。

あえて醤油ではなく、とろろ旨味出汁を添えてあります。

夏はエネルギーを消耗するので、とろろで栄養補給を。

f:id:hanakobo:20190613161154j:plain

 

前菜は「旬菜五種盛り」。

人差し指ほどの大きさの若鮎南蛮漬け、海老団子黄身揚げなど、ひとつひとつ口に運ぶのが楽しくなる一皿です。

f:id:hanakobo:20190613161422j:plain

 

温物は「うぐいす万頭 蟹餡」。

カニの出汁が利いたとろみあんの温かい一品。

余計な味をつけていないので、さっぱりといただけます。

f:id:hanakobo:20190613161815j:plain

 

冷菜は「冬瓜・青芋茎・糸南瓜の冷やし鉢」です。

シャキシャキした三つの素材の、でもそれぞれの個性が味わえます。

そのシャキシャキ感を損なわない程度にきかせた出汁の旨みもぜひ感じてください。

添えられた胡麻味噌と一緒にいただくと表情が一変するのも楽しみです。

f:id:hanakobo:20190613162213j:plain

 

そして花工房では欠かせない伊達鶏はトマト煮で。

ほどよい弾力のある、伊達鶏の旨みをさっぱりトマトソースでどうぞ。

f:id:hanakobo:20190613162408j:plain

 

「せっかく福島に来たからには福島牛!」という方には「花の膳」を。

ここまでご紹介したお料理に、福島牛のプチステーキをプラス。

柔らかなランプ肉を青シソのソースで、お腹いっぱいでもさっぱりいただけます♪

f:id:hanakobo:20190613162959j:plain

 

「百合の膳」は福島牛の代わりにエゴマ豚となります。

脂身の部分もしつこくなく、意外にペロッといけちゃいますよ。

f:id:hanakobo:20190613163127j:plain

 

このほかに季節の釜飯におこうこ、味噌汁、季節のデザートがつきます。

ステーキがつかない宿泊コース「月コース」はお一人様6,800円から。

エゴマ豚の「百合コース」は7,800円、福島牛がつく「花コース」は8,800円から。

今回ご紹介した夏の献立は8月までのご提供となります。

※宿泊料金は全て一泊二食・税込・飲物別です。

 

冬の献立

またまたご無沙汰しております。

ほとんどお料理のご紹介ページと化しております。。

 

今日(12月12日)は南岸低気圧が夜中に通過して、起きたら雪景色…

いよいよ本格的な冬の始まり−が今年は遅いです。

そんな季節、味わい豊かで体の芯から温まる、花工房の冬の献立をご紹介しましょう。

 

まずは全体像がこちら。

f:id:hanakobo:20181212103810j:plain

 

では順番にご紹介します。

こちらは「かぶ柿なます」(右)と「たたき牛蒡ずんだ和え」(左)です。

f:id:hanakobo:20181212104112j:plain

カブの方は甘酢づけで、上に載っているあんぽ柿の繊細な香り、全体の爽やかな色合いが楽しめます。

たたき牛蒡は地元の牛蒡を薄味で煮込み、ずんだで和えてあります。

普通の牛蒡は細長いイメージですが、この牛蒡はとても太く、それなのに柔らか。

その食感はぜひ実食で。

 

次はお造りです。

f:id:hanakobo:20181212104939j:plain

写真に見えるのは奥から時計廻りに、鯛、甘海老、炙り鰆です。

特にオススメは炙り鰆。

皮の香ばしさと鰆の香りがなんとも言えず…

噛むとジワ、と控えめに脂が溶け出し、「口福」そのもの。

なお、甘海老は「花の膳」のみにつきます。

 

お魚が続きますが、次は焼き物。

f:id:hanakobo:20181212104012j:plain

旬を迎える鰤(見るからに脂がのってそうでしょ?)を柚子香る西京焼きでお召し上がりいただきます。

しっかりしたお味で、お酒のお供に、ご飯のおかずにも。

また、付け合わせの豆の煮物はふっくらと、そして金柑の甘露煮もいい仕事してます。

蓮根の酢漬けと共に、お皿の上のカルテットが美味しいメロディを奏でます。

 

この辺りで温かなお料理もご紹介します。

けんちん信田巻きがこちら。

f:id:hanakobo:20181212104010j:plain

豆腐にいろいろな具材をすり混ぜたものを油揚げで巻き、炊き上げてトロリとした餡をかけた温かな一品です。

その色から、べっ甲餡と呼ばれるものです。

寒さで風味が増してくるほうれん草が単なる付け合わせに終わらず、シャキッと主張します。

 

f:id:hanakobo:20181212104014j:plain

こちらは海老真丈のフライ。

プリプリの食感は言わずもがな。

熱いうちに召し上がれ。

 

次もアツアツですよー。

f:id:hanakobo:20181212110933j:plain

陶板焼きというと和のイメージですが、今回はあえて洋の一品、伊達鶏団子のトマトチーズ焼きです。

コリコリの食感が楽しい伊達鶏の挽肉団子を主役に、名脇役のシメジ、ブロッコリー、そしてカボチャが、陶板の上で演じるストーリーはロマンス、はたまたミステリー?

 

次は「花の膳」のメインディッシュ、福島牛のステーキです。

f:id:hanakobo:20181212104002j:plain

ランプ肉を使っているので、脂っこくなく、それでいて柔らかく。

ここまでで結構お腹いっぱいになっていると思いますが、それでもいけちゃう。

いや、せっかく福島に来るならぜひ味わわないと。

 

お食事はご好評いただいている月替わりの釜飯です。

今月は、カニ釜飯〜。

f:id:hanakobo:20181212111947j:plain

お新香とおみおつけがつきます。

 

最後にデザート。

f:id:hanakobo:20181212112046j:plain

豆腐花(とうふぁー・「豆花」などとも書きます)です。

豆乳味のデザート?どんな味?

スプーンで掬って口に入れると、苺ソースをまとった一皿はあーらステキ。

ヘルシーな感じで、罪悪感なくスイーツを楽しめます。

ただ一つ残念なのは、「もっと食べたい!」(お腹いっぱいなのに)

 

とご紹介した冬の献立は、花工房にお泊まりいただくとご堪能いただけます。

料金など詳しくは花工房HP(https://t-hanakobo.jp)をご覧下さい。

なお、ご予約は電話・メールはもちろん、じゃらん楽天トラベルるるぶトラベルからもできます。

今回の献立は来年2月一杯まで、ぜひご利用ください!