コスモス街道
全国的に梅雨ですが、当地では梅雨らしい天気があまりないような。
つい先日は最高気温が39℃を超えて全国第2位に。
(39℃超えでも2位というのもスゴイ話ですが)
そのとんでもない気温が出た当日、ある計画を実施しました。
その名も「コスモス街道」事業。
来年、つきだて花工房は創立20周年を迎えます。
これを記念して、花工房へのアプローチ道路脇1.8kmにわたってコスモスを植える計画を立てました。
ひところは各地で盛んだった「花いっぱい運動」も近頃では下火になりました。
そこで花工房までの道にコスモスを植えよう!ということになったのです。
目標は2万本。
この日に合わせて植える場所の草を刈ったり、植え場所を作ったり。
厳しい暑さの中の作業でした。
そして14日の休館日。
すぐ近くの糠田地区老人会のみなさんを中心に、直売所やさい工房の会員さんご夫婦、そして花工房のスタッフ。
全員ボランティアでコスモスの種まき作業です。
大変な作業だろうなぁ…と思っていたら。
たくさんの人のパワーで1時間弱で終了。
特にお年寄りのみなさんは要領よく、手際よく。
見習わないといけませんね。
心配された猛暑ですが、作業が早く終わったことと風があったこともあって、なんとか無事に作業を終えることができました。
好天続きでからからの土も今日の雨で十分に水分を含んだはず。
(ちょっと強い雨で、タネが流れないか心配ではありますが)
うまくいけば9月中旬から10月上旬頃、コスモス街道が楽しめるはずです。
この種まきの1週間後。
種を蒔いた場所を確認してみたら…
芽が出てました♪
草にまけないように、これからのお手入れ、しっかりしていかないと。
つきだて交流館もりもり オープン10周年!
今日4月29日、平成17年にオープンした体験交流施設「交流館もりもり」は10周年を迎えました。
いろいろあった10年。
震災もありました。
荒波にもまれながらもなんとかここまで。
ゴールというわけではありませんが。
今日のメインイベントはクイズラリー。
コース内に設置した4カ所のチェックポイントでカードにスタンプを押し、クイズに答えながら歩きます。
暑い一日。
子供たちも少々バテ気味。
チェックポイントでスタンプを押し、クイズの答えを書き込みます。
このポイントは「乳銀杏」というイチョウの大木。
イチョウは柔らかな若芽が吹き始め、花も咲き始めていました。
熊野神社ではお参りする参加者も。
このイベントは速さを競うわけではありません。
内緒の「設定タイム」に一番近い人から順位を決めます。
一位は花工房の利用券。
発表のたびに歓声が上がりました。
もうひとつの大きなイベントは坂車ワールドグランプリ。
クイズラリーに参加した子供たちが元気いっぱい、参加しました。
緊張のスタート!
優勝者にはメダルや組み木の置物が贈呈されました。
坂車GPは今後も定例で開催する予定です。
「われこそは!」という方、大人の方も歓迎です。
ぜひご参加下さい。
カタクリ(?)に会いに-女神山登山
今日はいいお天気でした。
気温も初夏の陽気。
今年はこんな陽気が多くて、季節が1〜2週間ほどいつもの年より早く感じます。
そんな中、女神山に登ってきました。
当初はカタクリを見るつもりでしたが、2週間前の下見の時にすでに満開。
何が咲いているかわかりませんが、とりあえず山野草を楽しみに登ります。
いつもの道では桑の木が新芽をつけています。
ころんとしているのは花芽でしょうか。
いつものように月舘口から杉林を抜けると、明るい雑木林に出ます。
少し昇るとすぐに南西の方角の視界が開けます。
手前に千貫森、遠くにまだ雪の残る安達太良を望みます。
ここからは浮き石の多い急な上り坂。
慎重に、ゆっくりと上ります。
足下を見つめながら歩を進めると、路傍の花たちに励まされます。
小さなリンドウがそこかしこに。
これは思わぬ収穫でした。
やがて山頂付近へ。
ここでは...
ヒトリシズカがいくつも群落を作っていました。
カタクリはやはりほとんど終わっていましたが、さまざまな花が迎えてくれました。
山頂のコブシも散り残って。
抜けるような青い空に白いコブシがとても映えます。
おかずやおやつを交換しながら海抜599.4mの女神山頂上でお昼休み。
帰りは川俣方面へ降りてみました。
ヤマツツジがほころび始めていて、ここでも山から歓迎を受けているように感じました。
里へ下りてくると、すでに水の張られたたんぼも。
今年も豊作になりますように。
そして、米価ももう少し上がりますように。
カタクリは予想通り終わっていましたが、写真であげたリンドウやヒトリシズカ、コブシ。
それ以外にもセンボンヤリ、チゴユリ、スミレやさまざまな木々の芽吹きが目にうれしく。
まさに「山笑う」シーズンを間近に楽しんだ一日でした。
里山春ごはん
いつもより早いと思った春はしばらく足踏み。
ようやく私も季節に追いついた気分です。
自然の、山の恵みをいただく機会がすっかり減ってしまった震災後。
福島で暮らす私たちはさまざまな知識を獲得して、少しずつですが、以前の暮らしを取り戻しつつあります。
以前開催していた春の摘み草体験。
今回は「里山春ごはん」というネーミングで再スタートしました。
もちろん、事前に摘み取って放射能を測定。
NDとはいかないものの、Cs-134は未検出、Cs-137は検出限界に限りなく近く10Bq/kg未満。
事前に収穫できなかったタラの芽、コシアブラは測定できなかったものの、昨年のデータでも合算で50Bq/kg程度。
一度に食べることのできる量からしても問題ない数値と判断しました。
なにより、この何年か、長く続けてきた自然と共生する生活は、ここで暮らす人にとっては大切なものです。
コゴミ、ノビル、フキノトウ(の花茎)、ユキノシタ、タンポポの花。
タラの芽、コシアブラ。
春の野には自然からのプレゼントが溢れています。
収穫物をみんなで下ごしらえ。
会話も自然と弾みます。
写真には撮りきれないほどの料理が並びましたが、キレイになくなってしまいました!
寒さで眠っていた体を起こし、やってくる夏に備える。
これぞ「自然エネルギー」ですね。
里山に春が来た
新年度を迎えました。
冬の冷え込みもさほどでないままに迎えた春は、春と言うには暖かく、初夏のような日も。
花工房の桜もいつもより10日くらい早く咲きそうです。
年度末・年度はじめの忙しさからふと我に返ると、あれ?もう春?
そう思うと事務ばかりしているわけにはいきません。
外に出なければ!
…というわけで園内パトロール、してきました。
だいぶ咲き進んできたレンギョウの黄色に混じって、もっと透明感の高い黄色の花。
ヒュウガミズキが見頃です。
足下に目をやると淡い赤紫の花。
ショウジョウバカマも見頃です。
話は逸れますが、今日はものすごい風。
カメラを構えると木々や草花たちがイヤイヤするんです。
悪戦苦闘しながらの撮影。
花工房の春と初夏の橋渡しをするのがヤマツツジ。
山肌が一面に染まるにはまだまだ時間が掛かりそうですが、咲き始めた株も。
花ばかりではなく気になるのは食べられる野草。
コゴミはどうかな…
こちらはまだ冬のまま。
クルクルと丸まった緑の派が伸びるまでにはまだ時間が掛かりそう。
一方フキノトウはすっかり穫りどきを過ぎてしまいました。
以前は勝手に摘んでいく人も多かったのですが、今はほとんどそんなこともなく。
よーく見ると小さな花がいくつか集まって、それが全体を構成してるんですね。
ちょっと感激。
ちなみに、フキノトウの伸びきった茎の部分はフキと同じように食べられます。
甘辛く炒りつけるとご飯が進みますね。
山菜の王様と言えば…
タラの芽(あ、ヨダレが…)。
この春は若木がかなり出ています。
背が低いので穫りやすい。
ちょっと小ぶりですが…
タラの芽が王様なら女王様はこちらかな。
むしろ香りはこちらに軍配があがるのではないでしょうか。
隠れた人気者(?)はこちら。
ユキノシタ、おいしいんですよね。
食感がたまらない。
ほかにもノビルなども。
里山にはごちそうが溢れています。
そこで、ここでお知らせ。
4月19日(日)「里山春ごはん」体験を開催します。
花工房の園内で野の草を摘み取り、みんなでワイワイと調理、春の恵みを味わいます。
「放射能大丈夫なの?」
はい、事故の翌年から毎年測定していて、年々下がってきています。
この時期だけにちょっと食べる程度なら問題ない程度と言えます。
今年も開催前に測定して確認。
前もってネットなどで、また当日も開始前にお知らせします。
希望があれば測定器の見学もできますよ。
体験料はお一人様1,000円(税込)。
時間は9:00〜13:00(予定)。
この時期ならではの自然の恵み、ぜひ一緒に味わいましょう。
お問合せ・お申込はこちらまで
↓
☎024-571-1777(つきだて交流館もりもり)
メール:morimori@t-hanakobo.jp
定員は10名程度です。
たくさんのご参加、お待ちしておりまーす!
もりもりの人気者
「きぼうのたねをまく」
ずっとお話を聴いてみたい方がいました。
二本松市東和地域で震災に負けずに農業法人を起業した、20代の女性。
お名前は菅野瑞穂(すげのみずほ)さんとおっしゃいます。
今回、グリーンツーリズム事業の一環として、念願叶って講演会を開催することができました。
タイトルを「きぼうのたねをまく」としました。
菅野さんが立ち上げた会社の名前は「きぼうのたねカンパニー」。
蒔かれた種はやがて芽を出し、次々に葉を拡げ、天に向かって伸びていく。
まずは種を蒔いてみないことには何事も始まらない。
菅野さんの拠点である二本松市東和地域は、やはり原発事故で少なからず影響を受けています。
その当時は「作業に心が入らなかった」ともおっしゃいます。
それでも一粒一粒の種に「ありがとう」と声をかけながら蒔く菅野さんの姿が動画で流れました。
農家民宿やワイン造り、農家レストランなど、地域の「あるもの」を活かした地域づくりの様子。
地元を大切にする菅野さんのポリシー。
厳しい農作業を楽しくするための工夫。
すぐに月舘で実践できるものではありませんが、今後のヒントをたくさんいただいたように思います。