あんぽ柿の販売再開!
震災から4度目となるこの冬、その間ずっと出荷することのできなかった月舘のあんぽ柿がようやく店頭に並びました。
今年は月舘も「加工再開モデル地区」に選ばれ(一部地域を除く)、柿の乾燥小屋ではこんな光景も久しぶりに見られました。
月舘を始めとする福島県の県北地方の秋を彩る色です。
販売されるあんぽ柿には全てQRコード付のシールが貼られています。
試しにスマホでこれを読み取ると、下のホームページが表示されました。
http://www.fs.zennoh.or.jp/vegi/furuit_winter.html
このJA全農福島のホームページでは安全なあんぽ柿を出荷するための取り組みが掲載されています。
その取り組みの始まりは2012年(2011年?)の冬。
原発事故で拡散された放射性物質を取り除く除染が始まりました。
例年より寒さの厳しかったあの冬、農家のみなさんは自ら除染作業に乗り出し、高圧洗浄機で柿の幹を一本一本洗ってゆきました。
高圧洗浄をかけられた柿の幹は白く、まるでサルスベリの幹のようでした。
(写真は2012年2月24日撮影)
脚立にかかった水しぶきはみるみる凍りつき、転落してケガをした人も多かったと聞きます。
たくさんの期待を背負いながら迎えた秋、柿は生でも線量が高く、とてもあんぽ柿に加工するどころではありませんでした。
同じように除染した桃やリンゴが順調に出荷にこぎ着けたのとは対照的でした。
そして期待と落胆を重ねたこの冬、柿はようやく期待に応えてくれました。
幼果のうちから検査して加工再開モデル地区を決定、その後再度生の状態で測定。
干し場を徹底的に清掃して収穫した柿を干し、干している途中の状態でも測定。
さらに製品にしたものを箱詰めにして非破壊検査。
万全には万全を。
幾多の関門を通ってようやく「やさい工房」の店頭にも並びました。
生産は割当制で、生産量も最盛期の1/4程度とか。
またこれまでの長い歳月で低下してしまった農家のモチベーションは販売再開で持ち直すのか。
他にもいろいろと課題はあります。
でも、ひとまず、ひとくぎり。
年末のビッグニュースでした。