花々日記

つきだて花工房の日常や雑感を綴っています。

里山の冬仕事

「冬のごちそう」と言って思い浮かぶものはなんですか?

冬の寒さの厳しい時期、タラやアンコウのような白身魚は脂がのって美味しくなりますね。

農産物で言えば、大根・白菜。

寒さで甘みが強くなり、火を通せばとろっと柔らかに。

この地域ならではの味ならあんぽ柿。

凍み餅、凍み大根も凍てつくような寒さが作り出す味と言えるでしょう。

 

でも本当のごちそう-それは古民家にある、炭が燃える掘り炬燵かもしれません。

 

たまに炭の「なり損ない」があって、部屋中が焚き火臭くなるものご愛敬。

灰を踏まないように用心深く足を下ろせばそこはパラダイス!

下半身が十分に温まると、上半身はちょっとしたストーブでもOK。

それだけにコタツの廻りにはどんどん物が集まってきてしまうのが玉に瑕です。

 

そんな掘り炬燵に欠かせない炭。

去年の冬に2回焼いたのでした。

一回目は窯が冷えていてうまく焼けず、ほとんどが灰に。。。

2回目を焼いて、それを取り出さずに窯に入れたままにしておいたのです。

(窯を空にしてしまうと壊れやすくなるとか)

先日、雪が降る前にその炭を出しました。

 

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実はブログ主が炭窯に入るのは今回が初めて。

表から見たよりずっと狭く、変に居心地がいいんです、暗いし。

まぁ、立ち上がることができないから腰を曲げて作業をしなければいけないので、シンドイのは確かです。。。

そして取り出した炭は、おおよそ15kgずつ袋に詰めて約50袋。

いやータイヘンタイヘン。

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全て花工房の敷地から伐り出したナラ、クヌギなどの薪炭木です。

木を伐るのも手入れのうち。

伐った分だけ林床は明るくなり、ドングリが芽吹いたり、切り株から萌芽したりして、新しい命となって蘇ります。

 

現代的な機密性の高い住宅では、炭を使うと大変なことになりかねませんが、たまには屋外で炭火を楽しみませんか?

特にオススメは夜の焚き火。

暗闇の中で赤々と燃える炭火は、見ていて飽きませんよ。

 

出囃子はiPhoneで

「◯◯界」といわれるようなところには様々なしきたりがあるようで。

落語界(と言うかどうかは知りませんが)にも、今回初めて知ったしきたりがありました。

それは「出囃子は前座さんが準備する」というもの。

昨日開催した「アイルランド音楽と落語の夕べ−満月のつどい」に出演した三遊亭わん丈さん。

前回は前座さんという階級での出演。

この5月に二つ目に昇進しました。

 

 

「出囃子のCDをお借りしまーす」と手を出したら、「あ!」と。

持ってこなかったと言うんです。

どうしようどうしようと、みんなで考えて。

「(アイルランド音楽の守安さんの)笛で登場にしましょうか」とも。

出囃子でも笛が入りますしね。

そうしたら、わん丈さんが「iPhoneには入れてるんですけど」と。

だったら!

用意していたアンプスピーカーはBluetoothを受信できるんです。

Bluetoothは無線通信の一種です)

そこでわん丈さんのiPhoneとペアリングすると…見事!スピーカーから出囃子が!

(ペアリングがわからない方、ごめんなさい)

 

すると今度は、「で、誰が出囃子止めるの?」

高座に上がったら出囃子を止めないといけませんが、人様のスマホは個人情報のかたまり。

あんまりいじりたくないものです。

それならいっそ、「iPhoneを持ったまま高座に上がって自分で止めて、ついでにそれをネタにしちゃえば!」

というわけで、前代未聞のiPhone同伴の高座と相成りました。

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文明バンザイ!

 

落語はまだまだ古いもの・事が生き残っている世界ですが、わん丈さんのような若手も入って、少しずつ新陳代謝もしています。

今回のようなことは本当の寄席ではあり得ないことでしょうが、新しい風が吹くことも必要なのかな、と。

 

噺家さんに負けず劣らずお話が楽しい守安さんのトークも、もちろん健在。

それ以上に演奏が素晴らしいです。

横笛(フルート)、縦笛、何種類もの笛を用意されて。

時には2本の縦笛を同時に吹くということも。

雅子さんはアイリッシュハープ、バゥロンという太鼓にコンサルティーナというアコーディオンの一種などで盛り上げます。

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特に2本のスプーンを、カスタネットのように使う演奏は、見なかった人は損してると思いますよ。

 

時に切々と、時に陽気に、それでいて懐かしいような旋律。

今回、公演後にCDを購入して家に帰って早速聞きましたが、ついさき聞いたのに飽きることなく楽しめます。

 

お客様もとても喜んで入らした様子。

ぜひ、今後も続けていきたい公演です。

いろんな噺家さんの落語も聞きたいですしね。

出囃子はiPhoneで

「◯◯界」といわれるようなところには様々なしきたりがあるようで。

落語界(と言うかどうかは知りませんが)にも、今回初めて知ったしきたりがありました。

それは「出囃子は前座さんが準備する」というもの。

昨日開催した「アイルランド音楽と落語の夕べ−満月のつどい」に出演した三遊亭わん丈さん。

前回は前座さんという階級での出演。

この5月に二つ目に昇進しました。

 

 

「出囃子のCDをお借りしまーす」と手を出したら、「あ!」と。

持ってこなかったと言うんです。

どうしようどうしようと、みんなで考えて。

「(アイルランド音楽の守安さんの)笛で登場にしましょうか」とも。

出囃子でも笛が入りますしね。

そうしたら、わん丈さんが「iPhoneには入れてるんですけど」と。

だったら!

用意していたアンプスピーカーはBluetoothを受信できるんです。

Bluetoothは無線通信の一種です)

そこでわん丈さんのiPhoneとペアリングすると…見事!スピーカーから出囃子が!

(ペアリングがわからない方、ごめんなさい)

 

すると今度は、「で、誰が出囃子止めるの?」

高座に上がったら出囃子を止めないといけませんが、人様のスマホは個人情報のかたまり。

あんまりいじりたくないものです。

それならいっそ、「iPhoneを持ったまま高座に上がって自分で止めて、ついでにそれをネタにしちゃえば!」

というわけで、前代未聞のiPhone同伴の高座と相成りました。

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文明バンザイ!

 

落語はまだまだ古いもの・事が生き残っている世界ですが、わん丈さんのような若手も入って、少しずつ新陳代謝もしています。

今回のようなことは本当の寄席ではあり得ないことでしょうが、新しい風が吹くことも必要なのかな、と。

 

噺家さんに負けず劣らずお話が楽しい守安さんのトークも、もちろん健在。

それ以上に演奏が素晴らしいです。

横笛(フルート)、縦笛、何種類もの笛を用意されて。

時には2本の縦笛を同時に吹くということも。

雅子さんはアイリッシュハープ、バゥロンという太鼓にコンサルティーナというアコーディオンの一種などで盛り上げます。

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特に2本のスプーンを、カスタネットのように使う演奏は、見なかった人は損してると思いますよ。

 

時に切々と、時に陽気に、それでいて懐かしいような旋律。

今回、公演後にCDを購入して家に帰って早速聞きましたが、ついさき聞いたのに飽きることなく楽しめます。

 

お客様もとても喜んで入らした様子。

ぜひ、今後も続けていきたい公演です。

いろんな噺家さんの落語も聞きたいですしね。

二十歳になりました

平成8年8月8日。

今年、平成28年8月8日。

つきだて花工房は満20歳を無事迎えることができました。

震災や原発事故にも負けず、ようやく大人(?)になりました。

 

8月8日と言えば恒例の「アニバーサリーコンサート」。

昨年に引き続き、今年もチェンバロ弦楽四重奏を加えた編成でお送りしました。

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コンサートは「夏の思い出」でスタート。

「ラベンダーの咲く庭で」(弦楽四重奏)や「百合の花開く」(チェンバロ独奏)といった花にちなんだ曲に、「おもちゃの交響曲」や「赤とんぼ」といった、観客参加型の曲も交えての演奏。

そして圧巻はベートーヴェンの「月光」とそれに続くハイドンの「日の出」。

夜から日の出への、空の色の変化が鮮やかに音で表現されました。

 

最後はシュトラウス二世の「観光列車」。

「駅長」に扮した花工房支配人が、新たな花工房の旅立ちを告げ、汽笛とともに弦楽四重奏で列車が出発!

合間合間に汽笛を模した笛や打楽器などが客席で鳴らされ、賑やかに車窓を彩ります。

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演奏者のみなさんも即席の鉄道帽をかぶり、ノリノリの演奏でフィナーレを盛り上げました。

 

去年のコンサート終了翌日から構想を練り、実現した今年のコンサート。

はてさて、来年はどんな編成で、どんな演奏を聴けるのでしょうか。

「森に還る」

つきだて花工房は間もなくオープン20周年を迎えます。

これを記念して、俳優・ナレーターとして活躍している柳生博さんを迎えて、講演会を開催しました。

 

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柳生さんと言えば、八ヶ岳に居を構えて、森とともに暮らしていらっしゃいます。

今回の講演会は「森に還る」というタイトルにしました。

この「還る」にいくつかの意味を込めました。

 

生活様式の変化、特に原発事故以降は山の恵みをいただくことさえ禁じられてしまいました。

かつては薪炭としてエネルギーを得たり、きのこ栽培に使う原木や肥料としての落ち葉を得たりする場所であった森、里山

本当の意味の自然のエリアだった「森」と人の生活テリトリー、そしてその間にある「里山」。

顧みられなくなった里山は森に還りつつあり、結果的に自然(野生)のエリアと人間のテリトリーが密着することで、野生動物との接触機会が格段に増えていると感じます。

我々人間が里山に「還る」ことが、人間と野生動物、双方のために必要と感じます。

柳生さんは講演の中で、「道ばたのつる性植物(フジ、クズ等)をもっと切ろう」と提案されました。

 

もうひとつは魂の行く先について。

日本は本来、多神教です。

身の回りにたくさんの神様がいらっしゃいます。

その中でも山の神、田の神。

亡くなった人の魂は近くの山に飛んで行き、そこで山の神となります。

山の神は春になると田の神となり、里に下りてきます。

また多くの神は自然の現象ひとつひとつであり、どんなに科学が発達しても、人間が御することはできません。

そんな自然への敬意、畏れ。

傲慢にならないように。

そういうことも、子供たちには引き継いでいきたい。

 

いつもは1000人、あるいはそれに近い会場で講演会をされている柳生さんは今回、200人程度の、観客と直接話ができるほどの大きさの会場で、ときには来場者との会話を楽しみながらお話しされました。

会場からの質問で「これからなにがやりたいですか?」との声に、柳生さんはこう応えました。

「何もない。僕は自分のためにやりたいことはもう何もありません。ただ、子供たちのために、森をよくしていきたいです」

 

 

 

献立が夏色に衣替え

主に夕食にお出しするお料理の献立が、夏メニューに変更になりました。

今回はそのご紹介です。

まずはその全容をドーンと。

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お食事(ご飯)は釜飯です。

写真はグリーンピースですが、月替わりとなりますので、どんな具材になるかはその時のお楽しみ♪

それから、この写真の献立は「花コース」の内容です。

その下の「百合コース」は肉皿がなし、一番お得な「月コース」は鮎の塩焼きと刺身の一部がなし、となります。

 

ちなみにお肉は福島牛のランプ肉をしゃぶしゃぶ風にアレンジしたもの。

脂身はないんですが、やわらか~い♪

適度な歯ごたえがありながらも柔らかいんです。

 

鮎の塩焼きは「蓼酢」(たで-す)でいただきます。

香魚と言われるだけあって、香りがなんとも言えません。

 

夏と言えば、「鰻」ですが、近頃は資源保護の観点からもちょっと我慢。。。

そこでそれに代わる「穴子」で「うざく」ならぬ「穴子ざく」をお楽しみいただきます。(手前左)

 

その奥は伊達鶏のレモン焼き。

川俣シャモも結構ですが、伊達鶏もコクがあっておいしいですよ。

 

右手前の器はエゴマ道明寺蒸し。

エゴマ餡を道明寺で包んで蒸し上げたもの。

豚の角煮を合わせて、甘味噌でこってりと。

夏だからこそ、のスタミナメニューです。

 

そのほか、サーモンのカルパッチョ仕立てや、いろんな豆の食感が楽しいビーンズの南瓜和えなどなど。

 

花工房の散策路では、たくさんのアジサイが色づき始めました。

ラベンダーも少しずつ紫を濃くしつつあります。

来月半ばにはヤマユリの香りも楽しめます。

そんなお花も楽しみに、いや、花より団子も大歓迎!

ぜひ、花工房の夏の献立、ご賞味下さいませ。

試食会 2016夏

食材には旬というものがあります。

「この時期になるとこういうものが食べたい」というものがあります。

 

季節は夏。

例えばキュウリ、桃…

魚にも旬がありますね。

肉には…どうなんでしょう?

 

花工房でお客様にお出しするお料理も、季節によって衣替えします。

そして、その前にはスタッフで試食会を催し、向こう約3カ月のお料理を決めていきます。

 

今回は夏に向けての献立。

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「うざく」ならぬ「穴子ざく」ほか、冬瓜の透明感が目にも涼しげなガラスの器。

もちろん、地元の伊達鶏も見えます。

 

こちらは上のランク(百合コース)のお食事に供される鮎の塩焼き。

鮎はワタが美味しいんですよね。

蓼酢(たで-す)と一緒にいただくと、川魚特有の匂いが気にならなくなります。

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さらにもう1ランクアップ(花コース)すると、福島牛をお召し上がりいただけます。

夏はやっぱり冷しゃぶでしょう。

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これらのお料理に釜飯と汁物、蓋物、デザートが付きます。

 

さて、実際の夏の献立、ここから何がどう変わるのか?

正式に決まったら、またこのBlogでもご紹介します♪

乞うご期待!