二十歳になりました
平成8年8月8日。
今年、平成28年8月8日。
つきだて花工房は満20歳を無事迎えることができました。
震災や原発事故にも負けず、ようやく大人(?)になりました。
8月8日と言えば恒例の「アニバーサリーコンサート」。
昨年に引き続き、今年もチェンバロに弦楽四重奏を加えた編成でお送りしました。
コンサートは「夏の思い出」でスタート。
「ラベンダーの咲く庭で」(弦楽四重奏)や「百合の花開く」(チェンバロ独奏)といった花にちなんだ曲に、「おもちゃの交響曲」や「赤とんぼ」といった、観客参加型の曲も交えての演奏。
そして圧巻はベートーヴェンの「月光」とそれに続くハイドンの「日の出」。
夜から日の出への、空の色の変化が鮮やかに音で表現されました。
最後はシュトラウス二世の「観光列車」。
「駅長」に扮した花工房支配人が、新たな花工房の旅立ちを告げ、汽笛とともに弦楽四重奏で列車が出発!
合間合間に汽笛を模した笛や打楽器などが客席で鳴らされ、賑やかに車窓を彩ります。
演奏者のみなさんも即席の鉄道帽をかぶり、ノリノリの演奏でフィナーレを盛り上げました。
去年のコンサート終了翌日から構想を練り、実現した今年のコンサート。
はてさて、来年はどんな編成で、どんな演奏を聴けるのでしょうか。
「森に還る」
つきだて花工房は間もなくオープン20周年を迎えます。
これを記念して、俳優・ナレーターとして活躍している柳生博さんを迎えて、講演会を開催しました。
柳生さんと言えば、八ヶ岳に居を構えて、森とともに暮らしていらっしゃいます。
今回の講演会は「森に還る」というタイトルにしました。
この「還る」にいくつかの意味を込めました。
生活様式の変化、特に原発事故以降は山の恵みをいただくことさえ禁じられてしまいました。
かつては薪炭としてエネルギーを得たり、きのこ栽培に使う原木や肥料としての落ち葉を得たりする場所であった森、里山。
本当の意味の自然のエリアだった「森」と人の生活テリトリー、そしてその間にある「里山」。
顧みられなくなった里山は森に還りつつあり、結果的に自然(野生)のエリアと人間のテリトリーが密着することで、野生動物との接触機会が格段に増えていると感じます。
我々人間が里山に「還る」ことが、人間と野生動物、双方のために必要と感じます。
柳生さんは講演の中で、「道ばたのつる性植物(フジ、クズ等)をもっと切ろう」と提案されました。
もうひとつは魂の行く先について。
日本は本来、多神教です。
身の回りにたくさんの神様がいらっしゃいます。
その中でも山の神、田の神。
亡くなった人の魂は近くの山に飛んで行き、そこで山の神となります。
山の神は春になると田の神となり、里に下りてきます。
また多くの神は自然の現象ひとつひとつであり、どんなに科学が発達しても、人間が御することはできません。
そんな自然への敬意、畏れ。
傲慢にならないように。
そういうことも、子供たちには引き継いでいきたい。
いつもは1000人、あるいはそれに近い会場で講演会をされている柳生さんは今回、200人程度の、観客と直接話ができるほどの大きさの会場で、ときには来場者との会話を楽しみながらお話しされました。
会場からの質問で「これからなにがやりたいですか?」との声に、柳生さんはこう応えました。
「何もない。僕は自分のためにやりたいことはもう何もありません。ただ、子供たちのために、森をよくしていきたいです」
献立が夏色に衣替え
主に夕食にお出しするお料理の献立が、夏メニューに変更になりました。
今回はそのご紹介です。
まずはその全容をドーンと。
お食事(ご飯)は釜飯です。
写真はグリーンピースですが、月替わりとなりますので、どんな具材になるかはその時のお楽しみ♪
それから、この写真の献立は「花コース」の内容です。
その下の「百合コース」は肉皿がなし、一番お得な「月コース」は鮎の塩焼きと刺身の一部がなし、となります。
ちなみにお肉は福島牛のランプ肉をしゃぶしゃぶ風にアレンジしたもの。
脂身はないんですが、やわらか~い♪
適度な歯ごたえがありながらも柔らかいんです。
鮎の塩焼きは「蓼酢」(たで-す)でいただきます。
香魚と言われるだけあって、香りがなんとも言えません。
夏と言えば、「鰻」ですが、近頃は資源保護の観点からもちょっと我慢。。。
そこでそれに代わる「穴子」で「うざく」ならぬ「穴子ざく」をお楽しみいただきます。(手前左)
その奥は伊達鶏のレモン焼き。
川俣シャモも結構ですが、伊達鶏もコクがあっておいしいですよ。
右手前の器はエゴマ道明寺蒸し。
エゴマ餡を道明寺で包んで蒸し上げたもの。
豚の角煮を合わせて、甘味噌でこってりと。
夏だからこそ、のスタミナメニューです。
そのほか、サーモンのカルパッチョ仕立てや、いろんな豆の食感が楽しいビーンズの南瓜和えなどなど。
花工房の散策路では、たくさんのアジサイが色づき始めました。
ラベンダーも少しずつ紫を濃くしつつあります。
来月半ばにはヤマユリの香りも楽しめます。
そんなお花も楽しみに、いや、花より団子も大歓迎!
ぜひ、花工房の夏の献立、ご賞味下さいませ。
試食会 2016夏
食材には旬というものがあります。
「この時期になるとこういうものが食べたい」というものがあります。
季節は夏。
例えばキュウリ、桃…
魚にも旬がありますね。
肉には…どうなんでしょう?
花工房でお客様にお出しするお料理も、季節によって衣替えします。
そして、その前にはスタッフで試食会を催し、向こう約3カ月のお料理を決めていきます。
今回は夏に向けての献立。
「うざく」ならぬ「穴子ざく」ほか、冬瓜の透明感が目にも涼しげなガラスの器。
もちろん、地元の伊達鶏も見えます。
こちらは上のランク(百合コース)のお食事に供される鮎の塩焼き。
鮎はワタが美味しいんですよね。
蓼酢(たで-す)と一緒にいただくと、川魚特有の匂いが気にならなくなります。
さらにもう1ランクアップ(花コース)すると、福島牛をお召し上がりいただけます。
夏はやっぱり冷しゃぶでしょう。
これらのお料理に釜飯と汁物、蓋物、デザートが付きます。
さて、実際の夏の献立、ここから何がどう変わるのか?
正式に決まったら、またこのBlogでもご紹介します♪
乞うご期待!
5月のハーブ教室
ハーブの香りを生活に取り入れて、なりたい気分を演出してみませんか?
リラックス、リフレッシュ、穏やかに…お料理、ティ、クラフト、そしてガーデニング。
毎回違ったハーブティとともに、ハーブの楽しみ方を「ハーブとスローライフの研究家」瀧田勉さんが伝授します。
ページの最後には瀧田先生からのメッセージも。
ぜひ、最後までご覧下さい。
5月のハーブ教室は「ハーブの寄せ植え苔玉作り」。
好きなハーブを選んで、苔玉にアレンジ。
こちらは先生にお持ちいただいた見本。
種類によってさまざまな表情が楽しいですね。全部欲しくなりそう♪
苔玉の仕立て方をレクチャーしていただきます。
みなさん、思い思いに香りの苔玉を仕上げました。
苔玉ならお部屋に置いて楽しむのもいいですね。
こまめにお世話もできて、ペットみたいに楽しめるのではないでしょうか。
そして、瀧田先生からのメッセージがこちら。
次回は6月27日(月)開催です。
ラベンダーもきれいに咲きそろうことでしょう。
摘み立てのフレッシュラベンダーでのクラフト、ぜひお楽しみ下さい!
新緑まつり
昨日の雨はすごかったですね。
春の恵みをいただきました
熊本の大地震、被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。
現地の状況が落ち着くまでは個人でボランティアに押しかけるなどは謹みましょう。
今、個人ができる最良の支援は募金でしょうか。
このような大きな災害があったからといって、自粛ムードが広まるのはよろしくありません。
心は被災地に傾けつつも、楽しめることは楽しんで。
経済が回らないと復興もその分遅れてしまいます。
…というわけではありませんが、山菜採り体験、開催しました。
今回は県外の方も4名。
ほとんどの方が山菜採りの経験はほとんどない、とのこと。
そんな方でも山菜採りは十分楽しめます。
コツは…食べられるものを覚えること。
当たり前過ぎますが、これにつきます。
もちろん、見分けの付きにくいものもあるので、そういうものは気をつけなければなりません。
花工房の散策路を歩きながら約1時間。
今回の収穫がこちらです。
ノビル、フキノトウ(の茎)、アマドコロ、ウルイ、コゴミ、ワラビ、ユキノシタ、ツルニンジン、タラノメ、ヤブレガサ。
そういえばウルイは有毒のバイケイソウ(コバイケイソウ)との誤食で、毎年中毒事件があるので、しっかり見分けられない方にはオススメできません。
山菜ではありませんが、最近ではニラとスイセンの誤食も、新聞でよく目にします。
畑に花を植えるときには十分気をつけましょう。
さて、調理法です。
もちろん、お好みですので、ここでは一例として。
ノビルは生で自家製味噌をつけて。
ノビルは小さいので辛味もいいアクセントです。
小さい物は味噌汁に。
フキノトウの茎は刻んで味噌汁に。
独特の香りと苦みが味噌と出会って風味に変わります。
甘みと苦み。ヤブレガサはこれに香りが加わります。
ちょっとえぐいので、マヨネーズが合います。
コゴミはゆでて胡麻和えに。
コゴミは少なくとも半分くらいに切った方が食べやすいです…
参加者に大好評のうちに、今回の会も終了しました。
ちなみにワラビはその場では食べられないのでお持ち帰りでした。
山菜は「なくてはならない」ものではありませんが、この時期になるとやはり気になります。
苦み、えぐみ、香りで、冬の休眠状態が打破される感じ。
そして何より、震災から5年、すっかり近くにあって遠い物になってしまった里山との関わりをつなぐひとつの「縁」とも言えるもの。
山菜文化、大切にしたいです。